呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!
 入学してからのラシェルは、魔法を使う科目以外は誰にも負けないようにと、必死で勉学に励んだ。
 その甲斐あって、ラシェルが受けることの出来た科目では、全てトップクラスの成績。影の主席と呼ばれ、教員からは魔力が無いことをひたすら惜しまれた。
 互いの素性を知らないが故のいい緊張感と、身分とは関係なく対等に接せられる環境は非常に気持ちがよく、ラシェルはこのまま卒業しないでいたいと思うくらいだった。
 魔力無しであることをあからさまにバカにしてくる人もいたが、概ね充実した日々を送っていたラシェルもとうとう最終学年を迎え、残すところあと一年となったところで出会ったのだ。――エスティリオに。

「あいつ、またやらかしたらしい。教室がめちゃくちゃになって、クラスメイトの荷物なんてボロボロになったから全部ゴミさ」
「ひぇー、俺同じクラスじゃなくて良かった。この前はからかった奴が、危うく死にかけたんだろ?」
「そうそう。魔力が異常に強いからってよく入学を許可されたよなぁ。どこの国の、どの家の者だろう?」

 またあの新入生の話だわ。確かエスティリオという子の。と、ラシェルは男子生徒2人の会話に耳を傾けた。
 と言っても、こそこそとしながら聞き耳を立てている訳ではなく、薬草の世話をしているラシェルに気が付かない2人が、大きな声で喋っているだけなのだが。
 
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