呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!

 エスティリオは魔法を使って散らばった雑草を集める、なんてことはせず、ラシェルと一緒に手で拾い集めている。
 
「俺、こんなに魔力いらないから、ラシェルさんに分けてあげられたらいいのに」
「あら勿体ない。せっかく持って生まれたのに、人にあげてしまいたいだなんて」
「ラシェルさんだって思うだろ? 自分が持っていないものを、手に負えないほど持っているやつがいるのは不平等だって」
「うーん、そうねぇ。私は沢山持って生まれたなら沢山あるなりに、無いなら無いなりに生きていけばいいだけだと思うけど?」
「諦めてるんだ」
「どう思われても構わないわ。だってないんだもの。どんなに努力してもどうにもならないことを頑張ったって、仕方ないでしょ」
「ふぅん」

 不満そうな顔をしているエスティリオ。少し苛立っているのか、集めてきた雑草を乱暴に手押し車に投げ入れた。
 エスティリオはラシェルの境遇を思って腹を立ててくれているのか、それとも諦めた姿勢が気に食わないのか。
 いずれにしても、エスティリオが苛立つ必要は無い。ラシェルは自分を悲観して可哀想だとは思わないし、魔力がない点については諦めていても、その他の点については諦めていないのだから。
 どう説明しようかと考えを巡らせて、ある日のことを思い出したラシェルは、静かに話し始めた。
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