呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!

「魔塔主様、よろしければこちらのハーブティーをどうぞ」
「これはエルがブレンドしたの?」
「はい。こちらは緊張を和らげリラックス効果が期待できるお茶で、夜眠る前に飲むとよろしいかと思います。ミルクで割ってお召し上がりになるのもいいですね。もう一つはフレッシュで爽やかな香りのするブレンドで、朝の寝起きに飲むと頭がスッキリしますよ」
「なんでまた突然?」
「無礼を承知で申し上げますが、少しお疲れのようにお見受けいたしました。先程ストレス発散とも仰っておりましたし。差し出がましいことをして気を悪くなさったでしょうか?」

 本当ならエスティリオの仕事を手伝ってあげたいくらいだが、ただの使用人にそれは出来ない。ならば少しでも気分が良くなるようにと、オリジナル配合のハーブティーを選んで持ってきた。

「まさか。ありがたく貰ってく」
 
 エスティリオは大事そうに袋を受け取ると「いい香りだね」と言ってクンクンと匂いを嗅いでいる。
 
「無くなったらまた貰いに来ていい?」
「魔塔のものは全て、魔塔主様のものでございますよ? 許可など要りませんわ」
「……ならエルも? 」
「え?」
「エルも俺のもの?」

 エスティリオが何を言おうとしているのかよく分からず、目をぱちぱちとさせて呆けてしまった。
 
 エルも俺のものって、一体どういう意味かしら??
 もしかしてからかっている?
 エスティリオは異性に、そんな冗談を言って反応を楽しむ歳になったのかと感慨深くなる。まあ少し、悪趣味だけれど。

「そうですね……私の主人は魔塔主様です。主人が使用人をどう使おうと自由ですから、そういう意味では魔塔主様のものですね」

 冗談は笑って受け流す。
 ラシェルがもう一度貝殻叩きを再開すると、エスティリオも袋を近くに置いてそれに続いた。
< 29 / 133 >

この作品をシェア

pagetop