呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!

9. 薬草栽培研究官

「お話というのは何でしょうか」

 エスティリオに山賊から助けて貰って5日後。農場長に呼ばれて部屋へ訪れると、ラシェルの他にもナタリーとアルベラがいた。

「上からのお達しでね、エル、君は今日から薬草栽培研究官として働いてもらうことになった」
「薬草栽培研究官……?」

 初めて聞く名前に、ラシェルだけではなくナタリーとアルベラも首を傾げている。

「新しく設けられた官職だよ。薬草を栽培するにあたり、効率の良い栽培方法を見つけたり品種改良を行って欲しいとの事だ。まあ、君がいつも副的に行っていたことを、専門的に従事するというだけさ。難しい話じゃない」
「うわぁ、エル凄いね! 使用人から官吏になるってことだよね?! おめでとう!!」
「え……ええ。ありがとう」
「官吏といっても一番下っ端だがね。まあ、魔塔主様の期待に応えられるよう頑張りたまえ」
「はい」

 あまりに急な話で頭が付いてこない。
 使用人と官吏では話が全然違ってくる。使用人は雇用主に仕えるだけだが、官吏となると国そのものに仕える身となる。
 権力も給金もグッと跳ね上がるが、その分責任は重い。
 ナタリーが拍手してお祝いしてくれる中、アルベラは「それで」と仕切り直した。
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