呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!

「農場長様、私とナタリーは何故呼ばれたのでしょうか。今回のエルの話と関係があるのですか」
「ああそうだ。君たち二人はエルの下で働くようにとの事だからな。エルの研究が捗るように頑張るんだぞ」
「そういう事ですか」
「わかりました!」
「男手が必要な場合は他の薬草栽培士を使っていい。その場合は私に許可を得ること。それからエルはとりあえず今後の計画を立てて、魔法薬部へ提出するように。話は以上だ」

 農場長からの話を終えて部屋を出ると、ナタリーは嬉しそうにスキップしている。

「ナタリー、あんたは何でまたそんな嬉しそうなのよ」
「だってエルの下で働いた方がキツくは無さそうかなぁ。なーんて」

 農作業は力仕事も多い。少しでも楽をしたいナタリーは、ペロッと舌を出して正直に答えた。

「エルだけずるいとか思わないのかね、この子は。明らかに依怙贔屓(えこひいき)じゃない」
「ええー、そう? だってあたし達よりエルの方が頑張ってるよ。農場長からも色んな仕事任されていたし、振り分けられた仕事以外の事もやっていたし」
「つまりゴマすった甲斐があったってわけね」

 アルベラがふんっと鼻を鳴らした。それをナタリーは「まあまあ」となだめている。
 
「ねえエル、それであたし達はこれから何をすればいい?」
「えぇと、そうね。ひとまず私が試験的に育てている薬草畑の草取りをお願いするわ。私はちょっと寄りたいところがあるから」
「りょーかい!」
「……わかったわ」
「よろしくね」

 二人に草取りを任せて、ラシェルは魔塔本館へと向かう。
 この時間なら恐らく、エスティリオは私室を出て仕事をしているはず。ならば彼のいる可能性の高い場所は、会議中でなければ執務室だ。
< 55 / 133 >

この作品をシェア

pagetop