呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!
「それで魔塔主様……」
「人事についてでしょ?」
ラシェルが要件を言う前に、フィナンシェを食べるエスティリオに先を越された。余程頭を使って糖分を欲しているのか、もう3つ目に手を伸ばしている。
「はい、そうです。魔塔主様のお気持ちは大変嬉しいのですが、以前お伝えした通り、私はその気持ちに答えることが出来ません。ですからこのような官職を頂いても困りますし、他の使用人達にも……」
「エルは俺が私情で、エルを官職に就かせたと思ってるんだ」
「……」
エルを落とす宣言をしてきたから、今回使用人から官職へ就任させたのはその一環なのだろうと思ったのだが……もしかしたら自分の考えは短絡的過ぎたかもしれない。
食べる手を止めたエスティリオに見つめられ、思わず目を逸らしてしまった。
「そんな顔しないで。全く的外れって訳じゃないから。そうだなぁ0.1%くらい? いや、1%……うーん10%くらいは私情が入っているかも」
「ふふっ、0.1と10では100倍違いますよ」
「そうだね」
クスクスと笑いながら「とにかく」と話を続ける。
「俺がエルの事を好きかどうかは関係なく決めたことだから。薬草栽培の研究を専門的に進めて欲しい。魔法薬の研究と発展に必ず役に立つからね。エルがいようがいまいが、この官職は作るつもりだったし、誰かしらに就いて貰うつもりだった。最も適任だったのが、たまたまエルだったから任命したってだけ」