呪われた皇女ですが、年下ワンコ系魔塔主様に迫られてます!
ふぅっ、と小さく息を吐いてからランタンを手にして向かったのは、魔塔近くを流れる小川。貝殻洗いをした場所だ。
外出する時は魔塔騎士を連れて行くように言われたが、ここは魔塔の敷地内。夜遅い時間ではあるが、危険はないだろうと一人でやって来た。
「良かった。ちゃんといたわ」
ラシェルが探しに来たのは星屑エビ。
夜になると川の中で、淡い光を放つ様子が星に見えることからその名が付いたとされる。
昼間は岩陰などに隠れている上に小さいので見つけにくく、夜に探した方が効率が良さそうだと考えて、この時間に訪れた。
靴を脱いでスカートをたくし上げて縛り、そっと小川の中へと足を入れると、エビが驚いてふわぁっと散っていく。
「ふふっ、これは捕まえるの大変そうね」
苦笑しながら木でできた筒を、光る目標目掛けて潜らせてみる。何度も挑戦して四苦八苦していると、ようやく一匹の星屑エビが筒の中に入った。それを川岸に置いておいた瓶の中へと移し、更にもう一匹捕まえるべく筒を潜らせる。
そんな作業を小一時間ほど繰り返していると、持ってきた瓶の中は星屑エビで埋まってきた。
「1、2、3……10匹くらいは取れてそうね」
このくらいの収穫があれば十分だろうと川から上がり、足を拭いて靴を履く。
捕まえたエビを、薬草栽培研究所として与えられた農地の一角まで持っていかなければならない。
魔晶石の残量が気になりつつもランタンを灯すと、ラシェルの不安は的中し、明かりは直ぐに消えてしまった。