【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
「ローズマリーのことならなんでも教えてくれ。もちろん草のこともね」

「はい! 任せてくださいっ」


それから次の日もその次の日もリオネルはローズマリーを色々なところに連れて行ってくれた。
リオネルと話してさまざまな体験をすることで自然とカールナルド王国の文化や考え方に触れることができた。
貴族の令嬢のようなドレスやワンピースではなく、ローズマリーの希望通り動きやすい聖女服を用意してもらっていた。

何よりアイビーはローズマリーを母親のように慕い常にそばにいて離れないからだ。
もちろん聖女としてカールナルド王国の魔法樹、オパールを癒すことも忘れない。
オパールのために長時間、魔法を使っていくと目に見えて変化があった。

オパールは日に日に体が大きくなっていく。
彼女の成長速度を見ていると、恐らく箱詰めされて移動していた時も、ローズマリーが力を使うたびにアイビーは大きく成長していたのだろう。

けれど一週間以上経った今でも目を覚ますことなく眠り続けている。
そのことが気がかりだった。

(オパールちゃんは、いつ目が覚めるのでしょうか)
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