【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
(隣国のカールナルド王国には三本も魔法樹があるのですね。国土も三倍……大きい国なのですね)

隣国のカールナルド王国は昔から魔法が発展しており、国民全員が魔法の恩恵を受けている。
一番長生きな魔法樹は千年も長く王国を支えていると聞いた。
国民全員が魔法を使えるくらいなのだから、さぞ立派な魔法樹なのだろう。

ところがその魔法樹が元気を亡くしており、カールナルド王国はその影響を強く受けていると司祭たちが話しているのをたまたま耳にした。
その理由としてはカールナルド王国にここ十年ほど聖女がいないからだそうだ。

(もしカールナルド王国の聖女になったら、お腹いっぱいになるのにでしょうか)

そんなことを考えつつ、ため息を吐く。
今、バルガルド王国には奇跡的に聖女が二人、存在していることになっている。
それがローズマリーとミシュリーヌである。

ミシュリーヌは艶やかなゴールドの髪を腰まで伸ばしている美女だ。
紫色の瞳は優しげで、立ち居振る舞いは美しい。
ミステリアスで色気のある彼女は聖女らしく見えるのだろう。
幼い頃に孤児院で育ったローズマリーとは違い、彼女は貴族として育った。

まるで別の存在のように美しいミシュリーヌと初めて会ったのは魔法樹と聖女の仕事について本格的に学び始めた頃。
ローズマリーはお腹いっぱい食べられる生活に満足していた。
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