【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
「緑の聖女様、畑でとれた野菜です。どうぞ」

「こちら今朝焼いたクッキーですわ」

「焼きたてのパンです。是非もらってください!」

「──ありがとうございますっ!」


着々と餌付けされるローズマリー。
ローズマリーが食べることが大好きなことはあっという間に国中に広がっている。
城にも『緑の聖女様に感謝を』と、たくさんの贈り物が届き続けているそうだ。
特に食材が多いそうだ。

バルガルド王国とは真逆の扱いに戸惑いは隠せないが、ここにいられることが幸せだと思う。
シェフたちはローズマリーが喜んでくれるようにと、いつも美味しい料理を用意してくれる。

カールナルド国王や王妃もまるで娘のようにローズマリーに接してくれる。
隙があればローズマリーを甘やかそうとしてくるのだが、正直にいうとどう反応したらいいかわからないのが本音だった。

とある日、リオネルと王妃と国王と食事会をしていると、王妃が心配そうな表情でこちらを見ていた。


「ローズマリー、もっとわがままを言ってもいいのよ?」

「いえ、食事がいただければ満足ですから」

「そんな寂しいことを言わないで。あなたにはみんな感謝しているのだから」


王妃はそう言ってにっこりと優しい笑みを浮かべた。
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