【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
だがローズマリーは他に欲しいものはないし、食事以外は今のところ興味を持っていなかった。
そもそも孤児院でもバルガルド王国の大聖堂でも質素な生活をしていたローズマリーにとっては欲しいものは常に食べ物。
欲はすべて食欲だったこともあり、自然と他のものに目は向かなかくなってしまった。


「今は三食におやつやデザートがついています。これ以上の幸せは他に見当たりません」

「それも大切なことだと思うわ。けれどこの世界にはドレスや宝石、化粧品もあるでしょう? ローズマリーは興味はないのかしら?」

「ドレスや宝石ですか?」

「ローズマリーさえよければ、わたくしに選ばせてくれないかしら! あなたに似合いそうなものがたっくさんあるのよっ」


興奮気味な王妃の姿を見つめながら、ローズマリーは考えていた。

(どうしてわたしに色々と与えてくれるのでしょうか)

ドレスや宝石と聞いて、自然とミシュリーヌの顔が思い浮かんだ。


「……母上!」

「いいじゃないの。少しくらい! わたくし、娘を持つのが夢だったのよ!」


リオネルは王妃を咎めるように声を上げた。
たしかにカールナルド王国にはリオネル含めて王子が三人いる。
王妃が男の子ばかりで女の子がいないことを不満に思っているそうだ。

(王妃陛下は娘が欲しかったのですね)
< 115 / 193 >

この作品をシェア

pagetop