【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
煌びやかなドレスや宝石はローズマリーにとっては縁遠いものだ。
だが、ローズマリーは自分が他の令嬢たちのように、化粧をしてドレスを纏い宝石を身につけても似合うとも思えなかった。


「わたしには似合いません。王妃陛下のお役に立てずに申し訳ないです」

「そんなことないわ! だってローズマリーはこんなに可愛らしいんだもの。まるで花の妖精よ!」

「……妖精?」

「パーティーやお茶会とか機会があれば是非、わたくしに着飾らせてちょうだいね!」


王妃は目をキラキラさせて興奮気味にローズマリーを見ている。
もしパーティーなどに出席しなければならない場合、ローズマリーは自分でドレスを選ぶことはできないだろう。
ありがたい申し出だと思い、ローズマリーは返事をする。


「はい、よろしくお願いいたします」

「ウフフ、ありがとう。あなたのこと娘のように思っているわ」

「…………!」


ローズマリーは娘のようにと言われて珍しく体を固くした。
こうして家族のように扱ってもらえることが嬉しい反面でどう返事をすればいいかわからなかった。
彼らが優しさや気遣いからそう言ってくれたのはわかっているのだが表情が強張ってしまう。
それには王妃やリオネルたちも不思議そうにしていた。
ローズマリーは正直な気持ちを口にする。
< 116 / 193 >

この作品をシェア

pagetop