【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで


「「…………」」


リオネルには迷惑をかけてばかりで申し訳ない気持ちだった。
二人の間には気まずい空気が流れている。
鳥の鳴き声や草花が風に揺れる音が聞こえてきて瞼を閉じていると……。


「ローズマリー、僕は君と結婚したいと思っているんだ」

「それは……カールナルド王国のためにですか?」 

「……!」


淡々と返事をするローズマリーにリオネルは大きく目を見開いた。
魔法樹には聖女の力が必要不可欠だ。
国王や王妃もローズマリーを受け入れてくれてくれてはいるが、何か利益がなければ出会ってすぐに結婚しようとは思わないだろう。
それにバルガルド王国でローズマリーは散々、教会の人たちにそう言われていた。


「クリストフ殿下ともそのような理由で婚約したと聞きました。わたしは別に構いません」

「ローズマリー……」

「わたしはまだまだ利用できるということですから」

「…………」


つまりこの生活がまだ続けられるということだ。
ローズマリーがそう言うとリオネルはとても悲しそうに眉を寄せる。

(わたしは、また間違えてしまったのでしょうか)

リオネルはベンチから立ち上がると、ローズマリーの前に跪く。
手をそっと掬うように持ち上げた。
リオネルの行動が理解できずに、ローズマリーは首を傾げた。


「リオネル殿下、どうしましたか……?」

「ローズマリー。今は信じられないかもしれないが、僕は君を利用しようだなんて思っていないんだよ」
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