【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
「利用しても構いません。それだけのことをしていただいてます」
しかしリオネルは静かに首を横に振る。
ローズマリーは月の光が反射して輝くオレンジ色の瞳に魅入られたように動けなかった。
「君の今まで過ごしていた環境のことは知っている。だからすぐにこの気持ちを信じてもらえるとは思わない。だけど初めて出会った時から……君のことが気になっていたんだ」
「…………!」
ローズマリーはリオネルの言葉を聞いて目を見開いた。
(あの暴言を聞いてわたしのことが気になったのでしょうか。はっ……! もしかしてリオネル殿下は普通の令嬢では我慢できないのですか!?)
ローズマリーの中で着々と勘違いは進んでいく。
(つまり……完璧なリオネル殿下にも誰にも言えない秘密があるのですね)
リオネルの熱い想いに気がつかないまま、ローズマリーは納得するように頷いていた。
「僕が君に信じてもらえるようにこれからアピールしていかないとね。頑張るよ」
「ですが、リオネル殿下はどんな方でも……」
「いいや、僕は君がいいんだ」
「…………え?」
ぐいぐいと迫りくるリオネルにローズマリーは体を仰け反らせた。
(や、やはり特殊な方がいいと……ですが、わたしには難しそうです)
いつも冷静沈着な彼がこんなにも一生懸命にアピールして訴えかけてくる……つまりそういうことなのだ。