【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
「僕は僕自身の意思で君と共にいたいと思っているんだ。今はそれだけわかってくれたら嬉しい」

「理解しました」


ローズマリーが頷くとリオネルは安心したように笑顔を見せた。
今まではローズマリーの魔法を必要とされているだけだった。
けれどリオネルはローズマリー自身を見てくれているということだろうか。

(リオネル殿下はわたしの力を利用するためではなく、わたしの行動や言葉……つまりわたし自身を好ましいと思ってくれているということでしょうか?)

そう考えていると何故かはわからないけれど心臓がドクドクと激しく動いている。
ローズマリーはそのことが不思議に思い、自分の胸を押さえる。

(なんだかよくわかりませんが不思議な気持ちです。あと心臓が飛び出してしまいそうです。どうしてでしょうか……!)

ローズマリーはリオネルが掴んでいる手を離してから立ち上がる。 
彼が目をぱちぱちとしながらこちらを見ているではないか。
リオネルが立ち上がると、背を高い彼を見上げることになる。


「ローズマリー、どうかした?」

「リオネル殿下は……リオネル殿下はなんだか変ですっ!」

「…………えっ!?」

「わたしは部屋に戻ります」


ローズマリーは急にアイビーに会いたくなり、リオネルに部屋に戻ることを告げる。
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