【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
聖女はバルガルド王国では馴染みのない言葉だった。
そもそも魔法樹もバルガルド王国にきてから時が経っていない。
他国に比べれば魔法樹や聖女の知識が乏しいのも確かだ。

ローズマリーが貴族出身だったら、どれほどよかっただろうと思った。
バルガルド王国では血筋や家格がもっとも重要視される。
だが、父にどうしてもと言われてローズマリーと婚約することになった。
もし気に入らなければ愛人を囲い、側妃として好きな令嬢を迎えていいと言われて受け入れて納得したのだ。

けれどローズマリーはクリストフに媚びてこない唯一の存在だった。
だからこそ惹かれたのかもしれない。
それに大聖堂にこもってばかりのローズマリーにはクリストフしかいない。
クリストフだけがローズマリーの唯一の男ということになる。
そのことがたまらなくクリストフを興奮させた。

(ハハッ、ローズマリーはすべて俺のものだ!)

クリストフの婚約者になってからは、仕方なく彼女と話してやっていたが、ローズマリーが大聖堂の大司教たちに質素な食事しかもらっていないことを知った。
そこでクリストフは、放置しっぱなしで捨てるというクッキーを持っていったのだ。

(飼っていた鳥の餌にしてもいいが、ローズマリーにやってみるか)
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