【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
ミシュリーヌはローズマリーにずっと聖女としての仕事をさせてもらえずにいたらしい。
確かにミシュリーヌはパーティーやお茶会にばかり顔を出していた。
ローズマリーは聖女としての功績を独り占めしようとした挙句、クリストフの気を引きたくて魔法樹を弱めたという信じられない話を聞いたのだ。

最初は嘘だと思った。
だが魔法が使えない貴族たちが現れ始めたり、いつも強気なミシュリーヌがクリストフを頼り『信じて欲しい』と縋り、すべてを自分のために捧げたのだ。
それにはミシュリーヌのことを信じざるを得なかった。

(まぁいい……ミシュリーヌを正妃としてローズマリーは側妃とすれば丸く収まるだろう。聖女は必要な存在らしいからな)

クリストフがそう思っていたのに、実際に目にしたのはローズマリーがアイスグリーンの髪をした赤子を抱きしめている姿だった。
クリストフの中で何かがプチリと切れた。
ローズマリーがクリストフを裏切ったことに目の前が真っ白になった。

ローズマリーを国外に追放して、本人曰く彼女よりも優れた聖女であるミシュリーヌに魔法樹を任せる選択をする。

この時は自分の判断に絶対の自信を持っていた。
これで魔法樹の問題も解決すると、そう思っていたのに……。
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