【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
「俺は知らなかったんだっ! 知っていればそんなことをしませんでした!」

「うるさい、うるさい……ッ! お前には失望した! 廃嫡の手続きをしてやる。この愚か者めっ! この件が落ち着くまで一歩も外に出るな、一歩もだっ」

「……なっ、待ってください! 挽回のチャンスをください」

「ローズマリーを連れ戻す以外、お前が王太子に戻れる道などないッ!」

「……!」


父は教皇たちやミシュリーヌと話をするために部屋から出て行った。
たった一度、判断を間違えただけで転落してしまう。
クリストフは膝を折り、頭を抱えていた。

(俺の輝かしい未来が……! どうしてこうなってしまったんだ。ありえないっ)

しかしすぐにすべての発端は嘘をついていたミシュリーヌとルレシティ公爵のせいだ。
それにクリストフに嘘をついていた父や教皇たちが悪いではないか。
クリストフのせいではないのに、このまま放置していればすべてを失ってしまう。
どうにかして挽回の方法を模索しているとクリストフはあることを思いつく。

(そうだ! 父上より先にローズマリーを取り戻せばいい。そうすれば元通りになるはずだ)

クリストフも父の後を追うために部屋を出た。
今、父の頭は魔法樹のことでいっぱいなのだろう。
父はクリストフに気がつくことはない。
そのまま父の後を追っていくと、大聖堂に辿り着く。
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