【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
それはカールナルド王国の王都近くの街まで続き、そこから足取りは途絶えた。
開かない箱がなかったか尋ねると、そこで驚くべきことを耳にする。
なんと開かない箱はたまたま居合わせたカールナルド王国の王太子、リオネルが持って行ったのだそう。
(あのいけすかない奴がローズマリーが入った箱を奪っただと!? なんて不運な……)
そこで調査員たちはローズマリーが王家に保護されているかもしれないという情報を掴んで帰ってきたというわけだ。
それにカールナルド王国では再び魔法が使えたらしい。
ローズマリーと一緒にいたという魔法樹の影響かもしれないとわかったが、さすがに許可もなく王城に侵入するわけにはいかない。
魔法の技術はあちらの方が上だ。すれば箱が開いた可能性は高い。
ローズマリーがカールナルド王国にいるのならやることは一つだけだ。
「父上、今すぐにカールナルド王国に行ってローズマリーを助けに行きましょう! 今すぐにっ」
クリストフとはすぐに父に訴えかけた。しかし父は難しい顔をしている。
クリストフはその理由がわからなかった。
早く早くと捲し立てるクリストフに、父は額を押さえながら答える。