【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
クリストフはローズマリーに向けて手紙を書いた。
もちろんこれからの明るい未来のことをしたためたものだ。
どれだけローズマリーが自分のことを愛しているのかわかっているから戻ってきてほしい。
ミシュリーヌは自分が牢に送り、二度と嘘を吐けないようにした。
いなくなった今、安心してバルガルド王国に帰ってきてほしいと……。

それに加えて父がカールナルド王国に向けて、ローズマリーを恨む悪どい貴族のせいで国外に送られてしまった。
手違いでローズマリーがそちらの国に行ってしまったため、返してくれないかという内容の手紙を送った。

しかし早馬で手紙を届けてもらったのだが、その一週間半後に衝撃的な事実が明かされることになる。
なんとカールナルド王国は新しい聖女と魔法樹を歓迎する祭りが開かれているそうで凄まじい熱量に知らせに戻ってきたそうだ。
手紙はかろうじて受け取ってもらえたが、ローズマリーに見せるかどうかは別だと言われたらしい。

それに魔法樹や聖女を大切にしてきたカールナルド王国で、バルガルド王国のローズマリーの扱いや魔法樹のことが許せないそうだ。
彼らの怒りは相当なものだと手紙を届けた者は震えていた。
もちろんローズマリーにも会うことはできなかったそう。

どうやらバルガルド王国の魔法樹は幼児ほどの大きさに成長しているのだそうだ。
十年間、眠り続けていた魔法樹も目覚めて、カールナルド王国はお祝いムード一色。
それは間違いなくローズマリーが聖女としての力を使ったからだろう。

カールナルド王国はローズマリーのおかげで魔法樹が四本となり、そのうち二本は千年生き続ける魔法樹。
バルガルド王国は聖女だけではなく、魔法樹も失った。


「バルガルド王国は終わりだ。もう何もかも手遅れだ……」
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