【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
だけど体裁と自分の身なりを気にばかりしているクリストフがここまで必死になっている様子を見て、バルガルド王国で何かあったのだろうと確信する。
よくよく考えたら魔法樹が枯れてしまえば貴族たちは魔法をつかえなくなってしまう。
それだけでバルガルド王国は大混乱ではないだろうか。

(だからわたしを連れ戻しにきたのですね。もうどうにもならないのに……)

だからこそこうして国同士のルールを破ってまでローズマリーと魔法樹を取り戻そうとしているのだろう。
ローズマリーがクリストフを愛しているからついてくると思っているのだとしたら、大きな勘違いである。

(わたしがバルガルド王国に戻るわけありません。クリストフ殿下がおかしくなってしまいました)

このまま彼を刺激しないようにしながらなんとか時間を稼ぎたい。
もう少しでクリストフの足に草を絡ませて拘束できるかもしれないと思っていた時だった。


「魔法樹がこんなにいるじゃないか……! 俺のためにありがとう、ローズマリー」


クリストフは二人が魔法樹だとわかっているようだ。
ローズマリーは彼のありえない発言に唖然としていた。
バルガルド王国に魔法樹を奪われたのだとしたら、アイビーとオパールが不幸になってしまう。
それだけは避けなければならない。二人は絶対に渡さないと抗議しようとした時だった。
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