【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで

やってしまったと口元を押さえた時にはもう遅かった。
クリストフの怒りは完全にローズマリーに向いてしまう。
ローズマリーは咄嗟にありったけの魔力をつぎ込んで、前に立っているアイビーとオパールを花や草の壁で守るように包み込んだ。

(これでアイビーくんとオパールちゃんは簡単に連れ去れません)

彼らを守ること……それがローズマリーがやらなければいけないことだ。


「今のは聞かなかったことにしてやろう。俺を愛しているんだろう……? なぁ、ローズマリー?」

「……っ!」


こちらにどんどんと迫ってくるクリストフを見て一歩、また一歩と後退する。
しかしクリストフは眼前に迫り、ローズマリーの胸元を掴んで持ち上げる。


「ミシュリーヌのように舌を切り落として二度と反抗できないように牢に閉じ込めてやろうか? あぁ?」

「う、ぅっ……!」

「折角、あの悪女から守ってやると言ってるんだ。安心して帰ると言え! 言うんだ、ローズマリーッ」


クリストフはローズマリーを睨みつけながらそう言った。
掴まれている服が首に食い込んで息苦しい。

舌を切り落とした、牢に閉じ込めたということはミシュリーヌは嘘がバレてしまい、その罪を償っているのだろうか。

(なんてひどいことを……!)
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