【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで

(これで何があっても安心です。アイビーくんとオパールちゃんはわたしが絶対に守りますから……!)

抵抗するように草木を伸ばしてクリストフを拘束しようとするが、勢いが足りずに茎がブチブチと千切れてしまう。
それが彼をさらに煽ることになってしまったようだ。


「ローズマリー、水の中で頭を冷やすといい」

「……!」

「死にたくなければ大人しくしていろ」


ローズマリーの目の前は大波のように水に飲み込まれる。
完全に水に覆われて苦しくなっても平気なように、大きく息を吸い込んで思いきり目を閉じた時だった。

パラパラと水滴が頬に触れたのだが、いつまで経っても濡れた感覚がない。
そのことを不思議に思ったローズマリーがうっすらと目を開けた。
いつの間にか水の壁は無くなっている。
目の前にいたはずのクリストフの姿もどこにもない。
代わりにローズマリーの前に立っていたのは……。


「ローズマリー……大丈夫かい?」

「……リオネル殿下!?」

「遅くなってすまない。怪我は?」

「わたしは大丈夫です。ですが水が……」


ローズマリーは服を掴まれた程度で大した怪我はしていない。
掴まれて服が食い込んでいたところが擦れてしまったのかチクリと痛む。
急に喋ったせいで息が詰まり、ローズマリーが軽く咳をしたのを見てリオネルの手に力がこもる。
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