【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
「ぐぅ……!」
何かが潰れたように苦しむような声がしてローズマリーは首を傾げる。
よく見るとローズマリーの目の前がびっしょりと濡れていて水たまりができているではないか。
どうやら水の壁はリオネルの魔法によって地面に叩きつけられたらしい。
リオネルが腕を上げているため、その先に視線を送ると……。
クリストフが頭から地面にめり込んでいる姿が見えた。
苦しいのかクリストフは呻き声を上げているが起き上がることはない。
リオネルは涼しい顔で更に力を加えると、彼の上半身が見えなくなってしまった。
ローズマリーは緊張から解放されたのか体から力が抜ける。
倒れそうになったローズマリーをリオネルがもう片方の腕で支えてくれた。
「あ、ありがとうございます……助かりました」
お礼を言うとリオネルはローズマリーを包み込むように抱きしめる。
その腕はかすかに震えているような気がした。
「リオネル殿下……?」
「……君が無事で本当によかった」
ローズマリーもリオネルを抱きしめ返す。
彼の体温がじんわりと伝わってきて安心してしまう。
ローズマリーがリオネルが来てくれて本当によかったと思っていた時だった。
「──クソックソ、クソォォオォッ!」