【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
リオネルの魔法がなくなったことでクリストフが起き上がり、叫びながらもこちらに手を伸ばす。
彼は顔から上半身にかけて土で黒く汚れていた。
怒りに任せて魔法を使っているのか、水を固めたトゲのようなものをこちらに飛ばそうとしているではないか。
リオネルがローズマリーに支えてくれたことで、彼の魔法が解けてしまったのだろう。


「俺を裏切るなんて許せない、絶対に許さないぞっ! ローズマリーッ」


クリストフが手を振り上げるのと同時に、リオネルもローズマリーを片手で守るように抱きしめながら手を伸ばす。
しかしこちらに水のトゲが飛んでくる前にクリストフは再び地面に倒れてしまう。
何が起こったかわからずにリオネルに視線を送る。
またリオネルが魔法を使ったのかと思いきや、彼は自分ではないと言いたげにわずかに首を横に振る。

再びクリストフに視線を移すと、彼の足元の方から体に巻き付くようにして植物の蔦が巻きついていく。
クリストフが「うわあああ」と、叫びながら花や草を払おうとしているが足先から太ももまでギチギチにキツく何重にも重なっていくではないか。


「な、なんだこれは! ローズマリー、助けてくれ! 俺を助けるんだっ」


クリストフは地面に爪を立てて抵抗しているが、ずるずると引き摺られていく。
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