【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
「あの……オパールちゃん?」

『ローズマリーのそばから一生離れないから』

「えっと……はい」


あれから二人の成長はピタリと止まっていた。
本人たちもこの体の方が色々と動きやすいし、ローズマリーに甘えられるからと暫くはこのままでいるそうだ。
しゃべれるようになったことで、夢の中以外でも意思疎通もできるようになりさらに仲が深まっていく。

体の成長は止まったが、使える魔法はどんどんと増えていった。
植物を操っていたのでローズマリーと同じ魔法を使えるのかと思いきや、水魔法、火魔法、土魔法などさまざまな魔法が使える。
魔法樹は魔法の源を作り出すため、どんな魔法でも使えるようになるそうだ。

だけど回復や食事と同じように、ローズマリーの使う緑の魔法と呼ばれるものだけは外から……つまり聖女たちにもらうのだそう。

それから二人が喋れるようになったことで、魔法樹の研究員たちは大興奮。
なんせ今までわからなかった魔法樹のことを直接本人たちに聞けるようになったからだ。
樹というと、その場所にずっと留まっているイメージが強いので二人を見ているとなんだか不思議な気分になる。

今では二人の世話も慣れて、リオネルと一緒にいることが多いので二人で子育てしている気分だ。

アイビーはよく木の実や食べられる草や花を集めてローズマリーに渡してくれる。
オパールは誇らしげにどこからか立派な果実をとってきてくれるのだ。
ローズマリーが何よりも食べることが好きだと知っているからだ。
ローズマリーがお礼を言って喜ぶと、二人も嬉しそうにしてくれる。


『ボクの方がローズマリーを喜ばせられるっ』

『あら、アタシの方がローズマリーのことをよくわかっているわ!』

「二人とも喧嘩はだめです!」

『『……はーい』』

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