【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
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今日、ローズマリーはリオネルと一緒に近くの丘にピクニックに来ていた。
王都が見渡せるこの場所は幼い頃からリオネルのお気に入りだそう。
今日はシェフたちにお弁当を作ってもらい、アイビーとオパールを連れていた。
空は雲ひとつなく晴れ渡っている。太陽の光が温かくて気持ちいい。
敷物を敷いて座っているローズマリーとリオネルの前で、二人は元気に走り回っている。
「とてもいい景色ですね。リオネル殿下」
「ローズマリーがいてくれるなら、どこだって素晴らしい場所になるよ」
「そんなことないと思いますよ。ここが素敵な場所なのです」
「あー……うん、そうだね」
リオネルは困ったように笑っている。
いつもここで終わる会話だが、珍しくリオネルは補足するように言葉を加える。
「ローズマリー、先ほどの言葉は『君がいてくれるだけで僕はとても楽しい』って意味だよ」
「……!」
「ちゃんと僕の気持ちが伝わったかな?」
ローズマリーが動きを止めたのを見て、リオネルは今度は満足そうに笑っている。
ほんのりと熱くなる頬をそっと押さえる。