【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
(やっぱり……リオネル殿下と一緒にいる時のわたしは少し変です。よくわからない気持ちになります)

胸がソワソワするのも、くすぐったい気持ちになるのもリオネルのそばにいる時だけだ。

ローズマリーの今まで切り捨てなければいけなかった感情たちが少しずつ動き出す。
バルガルド王国にいる時、もしローズマリーに感情があったら間違いなく壊れてしまっただろう。
ローズマリーは感情を鈍くすることで自分の心を守っていたのだ。

だけど今は自分の気持ちを表に出したり、自由に時間を過ごすことを許されたことで、少しずつではあるが大切なものを取り戻しているような気がした。

そよそよと心地よい風が流れていく。
ローズマリーが髪を耳にかけて辺りを眺めていると、いつものようにお腹がぐーっと鳴ってしまう。
相変わらずローズマリーのお腹は別の生き物のように鳴き声をあげる。
あまりの大きな音にオパールとアイビーもこちらにやってくる。
そしてお腹に耳に当てているではないか。


『ローズマリーのお腹には何かいるよ!』

『きっと別の生き物がいるんだわ。これはお腹が空いていると鳴いているのね』


アイビーとオパールはローズマリーのお腹を撫でながら、真剣な表情で話し合っている。
毎日可愛らしい二人に癒されつつ、リオネルと過ごして新しい学びを得る日々。

(やっぱり……わたしのお腹の中には何か別の存在がいるのでしょうか)
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