【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
心の中ではもちろん悪態をついているが、これがいつものパターンだ。
確かに顔は綺麗だとは思うが中身が腐っているのだろう。
ローズマリーは外から見ると美しいが、中身が虫食いになってボロボロな木を思い出していた。

『ローズマリー、お前は俺の特別な顔を知っている唯一の奴だな』

と、言っていたがローズマリーにとってはパサパサなクッキーがもらえればそれでよかった。
そもそもローズマリーは王妃になりたいとは思っていない。
むしろこんなのと結婚するくらいならミシュリーヌに代わってほしい。

(やる気のある方が王妃になったほうがいいと思うのですが……)

教会の人たちもローズマリーを道具としか思っていないのだ。
普通の食事をもらえるので黙って従ってはいるが、正直十年間不服ではある。
婚約者になったとしても大聖堂で魔法樹を癒す生活はまったく変わらない。
それに加えて王妃教育が増えたため、デザートをもう一つ追加してもらう交渉をしたらあっさり了承された。

(もしかして頼めばもう一つデザートを増やしてくれるのでしょうか? いえいえ、欲張りはいけません)

二年間で王妃教育を淡々とこなしたローズマリー。
モチベーションは二つになったデザートである。

(デザートが二つ……! なんて背徳的なのでしょうかっ)

ローズマリーは王妃教育や聖女の仕事をこなしていたのだが、ここ一カ月前から魔法樹の様子がおかしくなっていた。
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