【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
リオネルはそう言っていつものように微笑んだ。
ジャケットがあってローズマリーは温かいが、リオネルは薄着になってしまい肌寒いのではないのだろうか。
ローズマリーは先ほどオパールとアイビーがくっついていたおかげで暖かかったことを思い出す。

(このままではリオネル殿下も寒い思いをしてしまいますので、温かくしなければなりません)

ローズマリーは片方の手でジャケットを押さえつつ、勢いよくリオネルに抱きついた。
ぴったりと体を張り付けていた。
あまりの勢いにローズマリーの顔は潰れている。
それには彼も驚いているのか、困惑気味にローズマリーの名前を呼ぶ。
ローズマリーはリオネルの反応を確認するように彼を見上げた。


「温かいでしょうか?」

「…………え?」

「体をくっつけると温かいです」


ローズマリーが何をしようとしているのか理解してくれたのだろう。
リオネルは「……ありがとう」と呟くように言った後にローズマリーを軽々と抱え上げる。
お姫様抱っこにローズマリーも驚いてしまい、彼に訴えかけるような視線を送るのだが……。


「こうしてくれるととても温かいよ。なんてね……」

「……本当ですか?」


ローズマリーはリオネルの首に腕を回して、更に体と顔をピタリと寄せた。
確かに肌と肌が触れて温かい。彼の心臓の音がここまで聞こえるような気がした。
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