【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
『ローズマリーによく似合うね。ここからここまで全部包んでくれ』

『あら、ここからここまでも忘れないで。あとバックもカバンも帽子も靴も買わなくちゃ……!』

『母上、この色とこの色はどうでしょう』

『まぁ……素晴らしいわ! ローズマリーによく似合うわね』

『…………』


リオネルと王妃はローズマリーに似合うという理由で、どんどんと服を選んでいく。
目の前にあるものがケーキやマドレーヌだったら、同じようにアレもコレもとなるのかもしれない。

ローズマリーの視界が埋まるほどに次々と積み重なっていく箱に驚くばかりだ。
リオネルも機嫌がよさそうだったが、特に王妃は心底楽しそうで終始興奮気味であった。

特に着たいものがなかったローズマリーは、歓迎パーティーに着るドレスもお任せにしようと思っていた。
だが、目の前に用意されたのは艶やかなライトブルーのドレスと鮮やかなマンダリンオレンジのドレスだ。


『ローズマリーはどのドレスがいいかな?』

『わたしはこちらのドレスが好きです』


リオネルに問われて、ローズマリーは迷わずマンダリンオレンジのドレスを選ぶ。
二人はすぐにローズマリーがドレスを選んだことを意外に思ったのだろう。
どうしてかと問われて、ローズマリーは気持ちを伝えるために口を開く。


『このドレスの色はリオネル殿下の瞳の色だからです。とても綺麗……大好きな色です』

『……!』


リオネルと王妃は目を見開いたまま動きを止める。
ローズマリーが首を傾げていると、王妃はうっとりとしながら手を合わせている。
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