【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
まだまだわからないことは多いけれど、リオネルやアイビー、オパールと過ごす日々はローズマリーの色がなくなった世界を鮮やかに彩ってくれている。
世界は希望に溢れていて、楽しいことがたくさんあって、美味しいものを食べる幸せがあると教えてくれた。
ローズマリーの歩む先にはまったく自由がない絶望ではなく、素晴らしい世界が広がっている。

ローズマリーはリオネルに心から感謝していた。
彼と一緒なら初めてのパーティーも怖くない。


「あの時、わたしとアイビーが入っていた箱を見つけてくださりありがとうございます」

「……ローズマリー」

「リオネル殿下と出会えてよかったです」


リオネルが箱の魔法を解かなければ、今頃どうなっていたのか想像もしたくない。
ローズマリーは無意識に笑みを浮かべた。
リオネルはローズマリーの頬を指でそっと撫でる。


「僕もローズマリーに出会えたことを嬉しく思うよ。ありがとう」

「リオネル殿下……」


視線が絡み合い二人の距離がゆっくりと近づいていく。
もう少しで唇が触れてしまいそうな距離という時に、アイビーがどこかから現れてローズマリーに抱きついたことで二人の距離が自然と離れてしまう。

影から二人の様子を見守っていたオパールが慌ててアイビーを引き剥がした。
彼に対して怒りを露わにしている。
アイビーはどうしてオパールに怒られているのかわかっていないようだ。
それはローズマリーも同じだった。

(オパールちゃんはどうして怒っているのでしょうか。でもあのままだったら……)
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