【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
『アイビー、アタシたちは先に行きましょう!』

『どうして!? ボクはリオネルとローズマリーと一緒にいたいよっ』

『あんたは少し空気を読みなさい。行くわよ!』


オパールはリオネルに向かってウインクをしたことで、一緒に行けばいいのにとは言えなくなってしまう。
ローズマリーから離れたくないと手を伸ばすアイビーを引きずりながら去って行ってしまった。


「オパールちゃん、どうしたのでしょうか」

「彼女は僕に気を使ってくれたみたいだ」

「……そうなのですか?」


オパールの行動の意味が、リオネルには理解できたようだ。
ローズマリーに向き直るとリオネルは優しげな笑みを浮かべている。
長い長い廊下は静寂に包まれていたが「僕たちも行こうか」と、リオネルにエスコートされるまま歩いていく。


「最近、君のことばかり考えてしまうんだ」

「わたしのことを……? どういう意味でしょうか?」


ローズマリーが問いかけるとリオネルはピタリと足を止めた。
不思議に思ったローズマリーが振り返るとリオネルは真剣な表情でこう言った。
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