【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
リオネルはローズマリーが好きだと言われたことが嬉しいようだ。
だが、ここまでしてもらってリオネルを好きにならないことができるだろうか。

(リオネル殿下は命の恩人ですし、いつも美味しいご飯をくれます)

ローズマリーが納得するように頷いていると包み込むように優しくしてくれる。


「今から僕がローズマリーにたくさんのことを教えるよ」

「……はい」

「今は君が僕の特別だってことをわかってほしいな」


ローズマリーはリオネルの言葉を理解したため頷いた。
するとリオネルは話を変えるようにポケットに手を入れる。


「それから後で君に渡したいものがあるんだ。どうしても形に残したいから……」

「それはお菓子でしょうか?」

「残念、食べられはしないんだよ」

「……そうですか」

「僕はお菓子に勝てる日がくるかな?」


心配そうにしているリオネルを元気づけたくて、ふとローズマリーはあることを思いつく。
ローズマリーは背伸びをしてリオネルの頬に口付ける。
リオネルの真似をしたつもりだったが、彼は大きく目を見開いた。
美味しそうなオレンジ色の瞳が揺れている。
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