【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
パーティーやお茶会と忙しくしているミシュリーヌが魔法樹の何を知っているというのだろうか。
しかしローズマリーは口をつぐむしかない。
ローズマリーの言葉はバルガルド王国の貴族たちには届かない。
ここにいることが急に虚しく感じてしまう。

(魔法樹とどこかに行けたらいいのにと思ってしまいますね)

ローズマリーは虚無感に苛まれていた。
そしてローズマリーの予想通り、一週間後には魔法が使えないという貴族たちが現れ始める。
ミシュリーヌが貴族たちから責められたようで、魔法樹がある大聖堂へと顔を真っ赤にして飛び込んできた。


「ちょっとローズマリー……! ちゃんと魔法樹を癒しなさいよっ。魔法が使えなくなっているなんて一体どうなっているの!?」

「わたしにはわかりません」

「わたくしがお茶会に行っているまでにどうにかしとおきなさいよっ! わかったわね!?」

「…………」


魔法樹は永遠にあるわけではない。
ここでは魔法樹を癒せる聖女がいたとしても意味がない。
それよりも根本的な問題のような気がしていた。

その次の日、魔法樹にローズマリーの力がまったく届かなかった。
こんな感覚は初めてだったし、魔法樹もこれ以上は魔力はいらないと拒絶しているようだ。
もうすぐ魔法樹が枯れてしまう、直感的にそう思った。
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