【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
その老人が魔法樹なのだと気がついたローズマリーは、自分の力が足りないせいで枯らせてしまうことを謝罪した。
魔法樹の老人は首をゆっくりと横に振る。
それからローズマリーに魔法樹について色々な話を聞かせてくれた。

魔法樹が初めて生まれたバルガルド王国は欲深い使い方をしたせいで、随分と短い期間でその恩恵は朽ちてしまうのだそう。
ローズマリーがどうにかできないのかと問いかけても、彼は『もう遅い』と首を横に振るだけだった。


『ワシはもうダメじゃろう。ローズマリーの献身的な魔法のおかげで十年はもったが、何もかもが遅すぎた。運悪く欲深い国に根付いてしまったものだ……』

『そんな……』

『ローズマリー、そんな顔をするでない。魔法樹は繋がっている。またすぐに会えるはずだ』


どうやら魔法樹はまた新しく生まれ変わるのだけだそうで死という概念がないのだそう。

それを聞いた瞬間、ローズマリーは救われたような気がした。
魔法樹はバルガルド王国の貴族たちが己の欲のために魔法の使い過ぎてしまい枯れてしまうこと。
どうやらいいことに魔法を使えば魔法樹の寿命は伸びて、欲に塗れた使い方や悪いことに使えばその恩恵は短くなるという。
それだけでこの国のことがよくわかった気がした。
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