【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで

バルガルド王国は魔法を己の欲のために使い過ぎてしまった。
だから四十年しか経っていないにもかかわらず、魔法樹が枯れてしまったと教えてくれた。
本来なら短くとも百年は恩恵を与えてくれる魔法樹。
前例がないため、クリストフや教会の人たちは魔法樹が枯れてしまうとは夢にも思っていないのだろう。

それにさすがにローズマリーが死んでは困るのか、魔法樹が回復しなくても水とパンだけは与えられる。しかし飢えは凌げない。
大司教たちやミシュリーヌも怒っていたが、ローズマリーの中に沸々と溜まる怒り。
空腹によるローズマリーの精神をどんどんとすり減らしていく。

魔法樹は毎日懸命に実をつけてローズマリーを守ろうとしてくれている。
それが日に日に小さくなっているのを見て心が痛くなる。

そんな時、夢の中で魔法樹があることを教えてくれた。


『もうすぐ新しい命が芽吹くはずだ。ローズマリーの力に惹かれてやってくる』

「わたしの力に……?」

『魔法樹にとってローズマリーの力は心地いい。ローズマリーがいてくれば次の魔法樹も長生きするだろうが、この国にいてはワシと同じことになってしまう。どうしたものか……』
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