【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
──どのくらいそうしていただろうか。

(お、お腹が空いて死にそうです……!)

何もしていなくても腹は減る。
ただでさえ三週間ほど満足な食事ができていないのだ。
ローズマリーの思考はどんどんと食べ物のことに傾いていく。
それにずっと眠っている魔法樹の赤ん坊のことも心配だった。
ほとんど人と同じ形をしているが、クロムも夢の中では人の形をしていた。

(魔法樹は人間の形をして生まれるのでしょうか……)

魔法樹は人に模すことができるなど聞いたこともない。
ローズマリーが学んだのは、魔法樹はどこからともなく現れるということだけ。
人の赤子の形を模すことで魔法樹に何かメリットがあるのだろうかと考えてみたものの、今はわからないままだ。

どうにかしてこの魔法樹だけでも守らなければならない。
それがローズマリーを助けてくれたクロムへの恩返しだ。
それにクロムの木の下で生まれた魔法樹だ。きっと何か意味があるに違いない。

そのためには少しでも長く生きなければならないとローズマリーは無理やり気分を前向きに持っていく。

(今は少しでも長く生きながらえることを考えましょう!)
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