【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで

今までは木箱に食べられるものを運んでいたが、今度はそこら辺にある草や花をひとまとめにして箱の中へ。
箱の中で分別して、食べられる草をもしゃもしゃと咀嚼する。

孤児院で飢えを凌ぐために食べていた時と同じだ。
久しぶりに青臭い香りが鼻に抜けていく。
懐かしくも苦みの強い味がじんわりと広がった。
あまりのひもじさに涙が溢れそうになってしまう。

(このくらい我慢できます。わたしは強いのです。大丈夫ですから……!)

弱気になるたびに気合いで乗り切る。
だが、夜になるたびに『ずっとこのままだったらどうしよう』と不安になり弱気になってしまう。
けれど魔法樹を守るのは自分しかいないこと、クロムが助けてくれたことや、彼のためにも魔法樹を守りたいと思い?乗り切っていた。

ローズマリーは赤ん坊に定期的に魔力を込めていたのだが、どんどん体が大きくなるので箱の中が狭くなる。
あれから泣くこともなく眠り続けている。

(よく寝てくれて助かります。とてもいい子ですね……)

それから用をどうやって足していたのか、それも植物を利用していた。
それ以上は聞かないでいただきたい。
箱の中にいることで羞恥心は捨てていた。
手を綺麗にする用、保存食の木の実や食用の野草、匂い消しのハーブ。
いつの間にか役割別の植物がローズマリーの前に積み上がっていく。
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