【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
口癖のように『この国は不公平だ。貴族でなければ終わりなんだよ』と言っていたが、ローズマリーにはなんのことを言っているのかわからない。
ただローズマリーの中で神父への恨みが募っていく。
満足な食事を得られずに、病に罹ったり衰弱してバタバタと倒れていく孤児院の仲間たち。

ローズマリーも空腹が続きすぎてフラフラしていた。
どうしてもお腹が空いて仕方ない時は、その辺に生えている野草を食べた。
木に登って実を取り、花の蜜を吸って飢えを凌いでいた。

いつものように孤児院の周りで食材を探し回っていた日のこと。

(……今日は木の実だけ。この木の実は栄養はありそうですが腹持ちがよくありません)

ローズマリーは小さな木の実を手のひらに乗せてもっと増えないかと眺めていた時だった。
手のひらにある木の実が突然、大きくなっていたのだ。

(どうして巨大化したのでしょうか……もしかして空腹による幻覚では?)

最初は気のせいかと思っていたが、食べられる草や花、木の実や果実を大きくできると気づいた。

(これでみんなが飢えることがなくなるのではないでしょうか!)

ローズマリーは恵を与えてくれる草木や花が大好きだった。
本当に本当に心から感謝していたのだ。

神父に内緒で畑の作物を大きくしてから皆に分け与えて飢えを凌いでいた。
影響を与えられるは植物だけでパンなどの加工したものには不可能。
ローズマリーが世話している花だけ鮮やかに色づいて咲き誇ったり、育てていた野菜が巨大化したことで生活が一変した。

(これでお腹いっぱい食べられます!)

しかしそのことがついに神父にバレてしまう。
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