【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
バルガルド王国は魔法樹についてまだまだ知らないことが多いが、聖女の存在は知っていた。
魔法樹を少しでも長らえさせる存在。なくてはならないものらしい。
一目見た時からミシュリーヌは彼女が気に入らなかった。

父はローズマリーが現れてからすぐにミシュリーヌを〝聖女〟として教会に送り込むことを提案した。

けれど聖女となるのはさすがに無理があるのではないか。
最初はミシュリーヌは聖女になることについて反対した。
何より本当の聖女として力を使うローズマリーにバレてしまうではないか、と。
父は圧力をかけるから問題ないと言った。

『クリストフの婚約者をとられていいのか』

その言葉にミシュリーヌはハッとする。
今まで王妃になるために耐えてきたことがすべて無駄になるなんて信じられなかった。

実際、ローズマリーは平民で孤児院出身にもかかわらず、すぐにクリストフの婚約者候補に踊り出た。
それほどローズマリーが貴重な魔法を持つ存在なことや、教会の思惑が絡んでいた。
 
魔法樹は今や貴族たちにとってはなくてならない存在だ。
魔法樹が長生きするかどうかはローズマリーにかかっているため文句を言う貴族も少ない。
それほど魔法による恩恵が大きいのだ。
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