【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
(ローズマリーがいなければ、わたくしがこんなに苦しい思いをする必要なんてなかったのよ……! あの女さえいなくなれば思い通りだったのにっ)

そんな時だった。
魔法が使えなくなる貴族が現れたのだ。
魔法樹に何かあったのかもしれない、はたまたローズマリーが何かをしたのだろうかと考えていた。

(あの女……何かしていたら承知しないんだからっ)

教会に苦情を言いに押し寄せる貴族たち。
その矛先は聖女であるミシュリーヌへと及ぶ。
バルガルド国王が長期の外交に出ている今がチャンスだと思ったのに、これではローズマリーどころかミシュリーヌへの聖女の信頼が落ちてしまうではないか。

(どうにかしないと……ああ、そうだわ! いいことを思いついた。これでクリストフ殿下はわたくしのものになるはず。そうしたら……わたくしが次期王妃なんだからっ)

ミシュリーヌは体を使い、クリストフの心を完全に自分のものにした。
ベッドの上でローズマリーの悪行を吹き込んでミシュリーヌを虐げていると嘘をついた。
助けて欲しいとクリストフに涙ながらに訴えかけたのだ。

クリストフはおもしろいくらい簡単にミシュリーヌの味方になった。
いつも勝気なミシュリーヌが、涙を流しているところを見てコロリと落ちた時には笑ってしまった。
父に手伝ってもらい貴族たちを巻き込んで魔法が使えなくなったのは、大聖堂に閉じこもっているローズマリーのせいにした。
すべての責任をローズマリーに押し付けるのは気持ちいい。
今までの苦労が報われるようだ。

 
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