【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
(アハハハッ、なんていい気分なのかしら……! 今日は今までで最高の気分よ)

しかしミシュリーヌは気づいていなかったのだ。
今から地獄が待っているとは思わずに……。


「ではミシュリーヌ様、偽物の聖女は追い出しました。魔法樹を元に戻してくださいね」

「…………え?」

「ミシュリーヌ様ならすぐにやってくださる。素晴らしい聖女なのだから」


ミシュリーヌは口端を引き攣らせた。
それに何も知らないクリストフもミシュリーヌを背後から抱きしめる。


「ミシュリーヌ、ローズマリーがいなくなった以上お前だけが頼りだ」

「あっ……」

「魔法樹を早く復活させてくれ。父上が帰ってくる前には立て直してくれ」

「……え、えぇ、もちろんですわ」

「ミシュリーヌ、今はお前しか頼れないんだ。俺の婚約者として頼むぞ」


欲しいものは手に入ったのに、すべてを失ってしまう……そんな予感にミシュリーヌは震える腕を隠すように握りしめた。



(ミシュリーヌside end)


* * *

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