【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
ローズマリーが目を開くと、そこには知らない天井があった。
箱に詰め込まれていた時の癖なのか、小さく丸まって寝ていたようだ。

(あれ……? わたしは牢屋にいたはずではなかったでしょうか)

首を左右に動かして周囲を確認するものの、明らかにどこかの部屋の中で牢の中ではない。
どこまでが夢でどこまでが現実なのか確認するすべもなく頬をつねる。
やはり痛い。どうして自分が知らない場所にいるのか考えること数十秒。

(考えてもわかりませんので、状況がわかるまではふっかふかなベッドで幸せ感じていましょう)

足や手を伸ばせる幸せ。自由に体を動かせることのありがたみを噛み締める。
石鹸のいい香りのするシーツはサラリとしていて肌触りがよく気持ちいい。
ベッドはローズマリーの体を跳ね返すほどふかふかだ。
手を上下に動かしていると、ローズマリーのすぐ隣にアイビーが体を丸めて眠っている。
いつのまにか彼は赤ん坊ではなく幼児の姿になっているではないか。

(魔法樹の子どもは成長がはやいのですね……やはりここは夢?)

そんなことをのんびりと考えながらアイスグリーンの髪を撫でていると、先ほどは感じなかったある感覚に眉を寄せる。
ギュルギュルとお腹が波打ち、強烈な空腹にローズマリーは腹部を押さえた。
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