【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
(わたし……自分の状況を話していないのですが、どうして知っているのでしょうか)

箱にかかった呪いのことを理解しているようだ。
さすがバルガルド王国よりも魔法のことに詳しいカールナルド王国というべきだろうか。


「それにあの暴言は我々に向けたものではなく、箱に閉じ込めた相手へのものだろう?」

「はい、そうです! クリストフ殿下やミシュリーヌ様、教会の人たちに向けたものでした」

「クリストフ……バルガルド王国の王族は随分と君にひどいことをしたみたいだね」

「…………はい」


沸々と湧き上がる怒りが蘇ってくるが、お腹が空きすぎているからか体からどんどんと力が抜けていく。
リオネルはローズマリーを椅子へと誘導するように手を伸ばす。


「君のために食事を用意したんだ。食べてくれ」

「……い、いいのですか!?」

「ああ、すべて食べても大丈夫だよ。ずっと箱に閉じ込められていたのだとしたらお腹が空いただろう?」


リオネルの言葉にローズマリーはこれでもかと目を見開いた。
このテーブルいっぱいに並べられた料理とリオネルを交互に見る。
バルガルド王国でいつも出てきたのは丸いパン一つとサラダ、卵料理とたまにベーコンかソーセージである。
ここにある料理はローズマリーの想像を超えていて、豪華という一言では表せないほどの感動である。


「…………あ、あなた神さまですか!?」

「えっと……王太子ではあるけど、神さまではないかな」
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