【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
「このお肉は……罪深いです!」


ローズマリーが真剣にそう言うとリオネルの口端がピクリと動く。
ピクピクと肩が揺れてお腹を押さえつつ笑うのを我慢しているようにも見えた。

(リオネル殿下はどうしたのでしょうか。それよりも冷める前に美味しいお肉をいただかなくてはっ)

新しく持ってきてくれたフォークとナイフを受け取りお礼を言う。
気を取り直したローズマリーは一口、また二口と頬張っていると幸せが溢れていく。
ローズマリーの前に並べられた皿が次々に綺麗になっていく。
今なら無限にお腹の中に入っていくような気がした。
スープを飲み込んだローズマリーはガタガタと震えが止まらなかった。


「こ、このスープはなんて優しい味がするんでしょうか。それに野菜の甘味がじんわりと口に広がって感動です。パンもふかふかあつあつですっ! 頬擦りしたいほど可愛いです~!」


毒が入っていたかもしれないと呼び出されたシェフたちも、ローズマリーの食事への熱意ある感想と喜び具合に感激して涙ぐみながら頷いているではないか。
半分ほどの料理を食べきったところで急激に襲う満腹感。
お腹を撫でると信じられないくらいぽっこりと膨らんでいる。

(おお……なんてことでしょう。お水以外でこんなにお腹が膨らんだのは初めてです!)

ローズマリーが大きなお腹を撫でていると、リオネルは笑いすぎたのだろうか。
涙を指で拭っているリオネルの姿があった。
侍女たちもそんな彼の姿を見て戸惑っているように見える。
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