【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
「やはりそうか。別の聖女……裏には君がいたんだね。バルガルド国王はローズマリーを必死に隠そうとしていたのかな」


リオネルの言っていることは半分以上わからないがローズマリーの言っていることをすぐに信じてくれたようだ。


「僕は君のことが知りたいんだ」

「……え?」


真剣にこちらを見つめるリオネルの表情にローズマリーの心臓がドクリと音を立てる。
先ほどまでは空腹で気がつかなかったが、リオネルの端正な顔立ちと笑顔とのギャップに驚いてしまう。


「バルガルド王国は聖女に対してどんな扱いをしていたんだろうか。もっとも大切で、時には国王よりも権力を持つ聖女にこんなことをするなんて……」

「どういうことでしょうか」

「君はあまり外のことを知らないようだけど……」


リオネルの言う通り、ローズマリーはほとんど外の世界を知らない。
幼い頃は孤児院、聖女の力がわかってからはほとんどは大聖堂で過ごして魔法樹のそばにいた。
クリストフの婚約者になってからは王妃教育を受けていたといっても、パーティーや令嬢同士のお茶会に同席したことなどない名ばかりの婚約者。
その理由はローズマリーにはよくわからない。何か理由があったことだけは確かだ。
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