【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
今度はローズマリーがリオネルの手を掴んで、血走った目で彼にぐいぐいと迫っていく。
リオネルは最初は驚いていたものの、すぐに噴き出すようにして笑った。
「ははっ、ローズマリーは食べることが好きなんだね」
「はい、大好きですっ! 先ほどは美味しいご飯をありがとうございます」
そんなリオネルの様子を見て、目を見張る国王に気づかないまま先ほどの食事のお礼をしていなかったと、ローズマリーは深々と頭を下げる。
「いや、大したことは……」
「あんな素晴らしいご馳走は初めてでした」
「……そうか。喜んでもらえて嬉しいよ」
リオネルはなんだか嬉しそうに微笑んでいる。
ローズマリーはすぐにカールナルド王国の聖女になることを決めた。
「たくさんご飯をもらいましたから、たくさん働きます」
「無理をしなくていいんだよ」
「はい、先ほどの食事は特別です。箱詰めされる三週間は魔法樹を癒やせないからとパンと水しかもらえませんでした。そんな生活はもう嫌ですから」
「……!」
その言葉にリオネルと国王は眉を寄せた。
それから普段の食事の内容を教えてほしいと言われて、ローズマリーは事細かに説明を始める。
それからつきっきりで魔法樹のそばにいたこともだ。
すると二人は目を合わせて頷いた。
それから丁寧な言い聞かせるようにして、リオネルはあることを口にする。
「ローズマリー、落ち着いて聞いてほしいんだが今まで受けてきた扱いは普通じゃない。異常だ」