【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで
「普通ではない……? わたしの食べてきたものがですか?」

「いや……食べ物もそうだが、ローズマリーの扱いもだよ。きっと君が無知なことを知って……利用していたんだと思う」

「そう…………ですよね」


それはローズマリーも薄々気づいていたことだった。
ローズマリーは随分と質素な生活をしていたのに、大司教たちやクリストフやミシュリーヌたちは貴族らしいいい暮らしをしていたように思う。
それこそ先ほどの豪華な食事と同じようなものを食べていたのを見たことがある。
けれどローズマリーがそのことを指摘すると、パンを小さくされてしまうという恐ろしい罰が待っている。

(パンが小さくなってしまうのは防がなければなりませんから……)

事あるごとに食事を減らそうとするため、ローズマリーは次第に不安を口にしなかったことを思い出す。


「それに君はとても……その、単純な性格なようだからね」

「……?」


言いづらそうにしているリオネルを見つつ、ローズマリーは首を傾げる。
単純だと初めて言われたからだ。


「僕なら君に悲しい思いをさせたりしないよ。ローズマリー、君を幸せにする」

「……!」

「ずっとここにいたいと思ってもらえるように頑張るよ」


リオネルのセリフはまるで恋愛小説のワンシーンのようだと思った。
だが、リオネルとローズマリーは出会ったばかり。
それに今はそんな雰囲気ではないだろう。

(とても優しい方なのですね。カールナルド王国はやはりすごいです)
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