【受賞&書籍化】国外追放された箱詰め聖女が隣国で子育てしながら満腹&幸せになるまで


それが魔法樹との出会いだ。
清浄な空気と魔力の流れが心地よく、ローズマリーはこの場所がすぐに好きになった。

聖女の仕事はこの魔法樹を元気にすることだと聞いて納得していた。
ローズマリーは魔法樹に元気がないことがわかったからだ。
すぐに魔法樹に寄り添うようにピタリと頬を寄せる。

その日からローズマリーの生活は一変した。
朝と晩、丸いパンと野菜スープとソーセージが出ることに大喜び。
孤児院では食べられなかった食事だ。
この時、お腹いっぱいに食べられるからとローズマリーは幸せを感じていた。

その後、この食事を続けるためには条件があると言われることになる。
それが聖女として魔法樹に尽くすことだった。
大聖堂で魔法の使い方を学んで、魔法樹を支えていくために教育を受けることになる。
魔法樹の存在は知っていたが、ローズマリーにとって魔法など縁遠いものだと感じていたからだ。

バルガルド王国では魔法を使えるのは貴族だけ。
それが周知の事実だった。
魔法を使えるのは国に気まぐれに現れる魔法樹のおかげだった。
魔法樹が現れれば国は栄えて、枯れれば魔法の恩恵が受けられなくなり衰退してしまう。
何故なら魔法樹がなくなれば、その国に住むものたちは魔法が使えなくなってしまうからだそうだ。
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